教育人間科学部
学校教育課程
- 子どもの頃から学校の教師になりたいと考えてきたのですが、最近は子どもの数が減ってきて教員になるのはとても難しい状況だと聞いています。どうなのでしょうか?
- 出産率の低下などで子どもの数が減ってきているので、教員の需要が減り、採用試験も難関になってきています。でも、私たちは優秀な教員を育てるためにあらゆる努力を惜しみません。そのために従来の教育学部とは異なる様々な試みをカリキュラムの中に採り入れています。あなたが教育に興味・関心を抱き、教員として21世紀の教育を担う意欲をもっているならば、その希望は必ずかなえられるはずです。
- 最近はいじめをはじめとして学校でのさまざまな問題が目立ちます。教員になれたとしてもその後が大変じゃないかと不安なのですが・・・。
- 教育の生活が大変なのは本当です。でも、だからこそやりがいのある仕事だとは思いませんか。学校が抱えるさまざまな問題を多面的に捉え、問題を解決していく実践的な問題解決能力を身につけることができるようにするためにこそ、この課程があるのです。私たちも、そのためにさまざまな新しい試みを行っていきます。
- それはどのような試みなのですか?
- たとえば、教育環境科目では、いじめや不登校のような学校をめぐる今日的課題、福祉教育、生活・環境教育、表現コミュニケーション、国際理解教育、情報教育、ボランティアなどの学外活動をめぐる多様な授業が用意されていますし、現場での体験学習や学外活動の単位化なども試みられています。これまでと比べてもっと実践的で高度な教育を行っていくことで、さまざまな困難にうち勝つことのできる総合的な力を育てていきます。
- それぞれのコースについてもっと詳しく教えて下さい。
- 人間形成コースは、教育基礎、心理発達、日本語教育の3つの専門領域をもっています。ここでは心身の発達とその支援、いじめ、不登校などへの正しい認識と対処の方法や国際化の下での教育の方法、日本語教育など、子どもの教育と人間形成を考える上で重要な課題を解決できる人材を養成します。教科教育コースには、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭科、英語の10の系があり、広い視野と深い洞察に基づいて教育活動を展開できる能力を持ち、教科教育に関する専門性を備えた人材を養成します。特別支援教育コースは、障害に応じた基礎的・臨床的な教育対応ができる人材を養成します。
- 他の課程とはどういう関係にあるのですか?
- コミュニケーションという学部共通の問題をめぐって他の課程とも密接に結びついています。授業科目の一部は共通ですし、博物館学芸員科目など共通に設けている科目もあります。他の課程の授業も受講することもできます。
人間文化課程
- 人間文化課程は何を学ぶところですか?
- 横浜国立大学がある横浜市は江戸時代に日本が外国に門戸を開いた港から発展が始まった都市です。横浜から、外国の文化が伝えられ、多くの品々が外国へ輸出されていきました。開港以来、多くの外国人たちが在住してきたこともあり、横浜は多様な人間文化が体験できる都市です。人間文化課程は、そんな横浜をフィールドにして、多様な文化を体験し、それにかかわるたくさんの問題を検討していきます。
- 具体的には、どんな場所がありますか?
- 明治以来、主に西洋人が住んだ山手地区──この地区には日本で初めてスポーツクラブが誕生した場所でもあります──や、日本で最大の中華街、そして、最近は、東南アジアの人々が多く住んで、独自の文化を展開している黄金町……、横浜にはすでに日本の都市の未来を先取りしている多くの側面があります。ですから、人間文化を学ぶには格好の舞台です。
- そうした問題をどうやって解決に導いていこうとしているのですか?
- 横浜市の最近の動きに「創造都市」があります。アートの力で、街を再活性化しようというものです。こうした運動をアートイニシアティヴによる街づくりと言いますが、古い倉庫をアートスペースに変えて使ったりする方法です。横浜市の各所で行われているそうした運動とも人間文化課程は連動していきたいと考えています。
- 今まであったマルチメディア文化課程や国際共生社会課程とどんな関係にあるのですか?
- 人間文化課程は、横浜国立大学の全学的な組織改編に伴って誕生しました。教育人間科学部にあったマルチメディア文化課程の理系部分と地球環境課程は、新たに設置された理工学部の一部を形成しています。ですからマルチメディア文化課程の芸術系と国際共生社会課程を合わせ、新たなコンセプトで教育課程にしました。横浜という地の利を活かし、より実践的に都市社会の問題や文化創造に関わっていける資質を養成します。
- 「芸術文化コース」と「社会文化コース」にはどのように分かれるのですか?
- 1年生のときには、コース分けせずに、人間文化課程の学生として皆、一緒に勉強します。外国語等、教養教育科目と共に1年次には、「人間文化基礎論」が4コマと「文化リテラシー基礎論」が人間文化課程の必修科目として用意されています。1年生全員が履修するこれらの科目では、「芸術文化」と「社会文化」の基礎を、人間文化課程を教えるスタッフが多様な角度から教育するので、その中でどちらのコースを選ぶかゆっくりと考えてください。
- カリキュラムの特長は?
- 1年次には、さっきの「人間文化基礎論」「文化リテラシー基礎論」の他に、少人数教育による「基礎演習」があります。人間文化の多様な側面を学ぶ様々なスキルを取得します。さらに、1年次後期からは実践性を特色にする人間文化課程でもっとも特徴的な「スタジオ」の基礎が始まります。
- 「スタジオ」って何ですか?
- 「スタジオ式教育」は、横浜国大の大学院の建築意匠ではずっと前から行われていました。スタジオ毎に実践的なテーマを持って、参加者がそのテーマの下に集まって、創造的な実践をめざすものです。もちろん、すぐに創造的な実践などできませんから、1年次では、いろいろなスタジオを見学して実践の方法を観察する予定です。2年次からスタジオに応じた基礎的なスキルを身に着け、3年次からは実践に入ります。地域コミュニティの中に入って、その地域の問題を解決したり、横浜に点在するアートスポットと協働して文化創造を行ったりする予定です。
- 卒業後の進路は?
- 地方公共団体の芸術文化振興関係の部署や地域の問題に密着したNPOなど、人間文化課程の目的にあった就職先は、もちろんターゲットの中心ですが、従来のマルチメディア文化課程や国際共生社会課程では、多くのマスコミ系の会社や流通系の企業への就職も多いようです。さらに、人間文化課程で教えるスタッフは、人間文化課程と一緒に新設される大学院・都市イノベーション学府研究院に所属している者が多いですし、環境情報学府に所属する者もいます。特に都市イノベーション学府は、人間文化課程と同様、スタジオ式教育を多く採り入れていますから、進学してさらに学びたいと思う人々は大歓迎です。
(担当:学務部入試課)
